公益財団法人Uビジョン研究所は、「人間の尊厳を守るケアを、世界レベルで評価する」ことを目指しています。
私たちが認証の出発点として特別養護老人ホームにこだわってきたのは、特別養護老人ホームが日本の福祉の原点であり、最も公共性が高く、最も人権保障が求められる施設であると考えているからです。
特別養護老人ホームは、憲法25条の生存権、憲法13条の幸福権、憲法14条の平等権を具体化するための施設であり、第一種社会福祉事業として高い公共性を持っています。運営主体は非営利法人に限定され、財源も公費と介護保険料を中心に成り立っています。また、低所得者や重度要介護者を支える最後の砦、すなわちセーフティネットとしての役割も担っています。
2015年度の制度改正以降、特別養護老人ホームは原則として要介護3以上の方が利用する施設となりました。認知症の人、重度の要介護者、独居や低所得の方など、最も支援を必要とする人を受け入れる場であり、「看取りの場」「生活の場」「尊厳を守る場」として機能しています。この点において、特別養護老人ホームの役割は、Uビジョン研究所の理念と深く重なります。
一方で、現実には特別養護老人ホームにおける不祥事や虐待が後を絶たない状況があります。単身世帯の増加、認知症の人の増加、ターミナル期の人の増加などにより、施設は閉鎖的・密室化しやすい構造を抱えています。だからこそ、第三者による可視化の仕組みが不可欠です。
現在、社会福祉法人における第三者認証の取得は任意であり、期待したほど取得数は伸びていません。その背景には、運営していれば入居者が集まるという現状、認証の価値が経営層に十分理解されていないこと、利用者側もサービスの質を十分に見極めにくいことなど、構造的な課題があると考えられます。
こうした状況を踏まえ、Uビジョン研究所は、厚生労働省に対し、第三者機関による認証・評価の受審を義務化するよう要望書を提出し、説明を行う予定です。これは、利用者の基本的人権を守るための社会的基盤を整える取り組みです。
また、2026年度からの新たな展開として、私たちは福祉事業者との協働をさらに進めていきます。障がい者グループホーム運営者との対話からも、「基本的人権を守る」という価値観を共有し、第三者機関による認証・評価の必要性を自ら感じ取る事業者が確実に増え始めていることが明らかになっています。
これは偶然ではありません。現場の課題が深刻化するなかで、誠実に運営する事業者ほど、自分たちの取り組みを正当に評価されたいという自然な流れが生まれています。
Uビジョン研究所が提供しているのは、単なる評価制度ではありません。利用者の人権を守るための世界レベルの視点、現場の努力を見える化する透明性、社会から信頼されるための公正な第三者性を兼ね備えた仕組みです。
志ある事業者と協働することで、利用者や家族が安心して施設を選べる社会、誠実な事業者が正当に評価される市場、虐待や不祥事を未然に防ぐ仕組み、そして行政任せではなく民間主導で人権を守る文化をつくることが可能になります。
Uビジョン研究所は、これからも「人間の尊厳を守るケア」を社会に広げ、日本の福祉の質そのものを底上げする取り組みを進めてまいります。