認証「悠」に新たな評価領域「外国人介護人材の受け入れ・育成体制」を設置

公益財団法人Uビジョン研究所では、介護人材の国際化と多様化が進む状況を踏まえ、認証「悠」において「外国人介護人材の受け入れ・育成体制」を新たな評価領域として位置づけることを検討しています。

今回は、新たな評価領域を設ける趣旨と、具体的な評価項目、今後の方向性についてご紹介します。

新たな評価領域を設ける趣旨

認証「悠」では、介護人材の国際化と多様化の進展を踏まえ、外国人介護人材の受け入れ・育成体制を新たな評価領域として位置づけます。

本領域は、文化・言語・制度の壁を越えて、外国人材が安心して働き、専門職として成長できる環境を備えているかを総合的に評価するものです。既存の評価領域である「人権」「ケアの質」「組織マネジメント」とも自然につながる内容となっています。

また、国際標準ISO 25557(介護サービス)や海外教育機関とのMOU連携との整合性を高めることで、認証制度としての先進性を示す重要な軸として位置づけます。

評価領域と項目(5領域)

新たな評価領域では、以下の5つの領域について評価します。

①制度選択の妥当性(3項目)

EPA・特定技能・育成就労・在留資格「介護」など、制度ごとの教育負荷や在留要件を理解したうえで、施設の規模、教育力、長期雇用方針に照らし、適切な制度選択を行っているかを評価します。

評価項目は以下の3項目です。

・採用目的と制度選択基準の明文化
・制度別の教育・支援体制の整備
・特定技能から介護福祉士取得へのキャリア設計支援

制度ごとの教育体制を整備するとともに、特定技能から介護福祉士取得へとつながるキャリア設計を支援しているかを確認します。

②日本語教育・コミュニケーション支援(3項目)

外国人材が専門性を発揮するために必要となる日本語力(N3~N2)と、介護現場で必要となる日本語の習得支援を評価します。

評価項目は以下の3項目です。

・年間教育計画の策定
・やさしい日本語・ICT翻訳ツールの活用
・日本語力の定期評価と個別支援計画の作成

③専門職育成・資格取得支援(2項目)

介護福祉士取得を中心とした専門職育成体制を評価します。

評価項目は以下の2項目です。

・国家試験対策(模擬試験・学習会・教材提供)
・資格取得後のキャリアパスの提示(リーダー職、相談員補助、チームケアの中核など)

④生活支援・文化的配慮(2項目)

外国人介護人材の生活基盤の安定と、文化的背景への配慮について評価します。

評価項目は以下の2項目です。

・住居確保、生活相談、緊急時対応
・食事・宗教・文化的衝突への配慮、ハラスメント防止、文化的摩擦の調整

⑤国際連携・国際標準との整合性(2項目)

国際的な質保証の枠組みを備えているかを評価します。

評価項目は以下の2項目です。

・海外教育機関とのMOU連携(送り出し機関ではなく、教育機関との協働を重視)
・ISO 25557(介護サービス)との整合性

主な評価基準の内容

調査報告書への反映

調査報告書には、以下の文言を明記します。

「外国人介護人材の受け入れ・育成体制(日本語教育・資格取得支援・文化的配慮・国際標準化への対応を含む)が整備された施設として評価する。」

この記述は、利用者・家族・地域に対し、国際的に開かれた施設であることを示すメッセージとして活用することができます。

評価者研修の強化

本領域の評価は、ISO 25557に基づく「組織の状況」「ガバナンス」「支援体制」「ケア提供」「評価と改善」などの構造に対応できるようにします。

評価者は、外国人材の就労環境が、人権・尊厳・安全・専門性の観点から適切に整備されているかを確認します。

そのうえで、以下の点について丁寧に評価します。

・記録と実践の整合性
・多文化共生の実効性
・組織文化の成熟度

国際連携(MOU)との整合性

海外教育機関とのMOUは、目的、連携内容、質保証、運用体制、評価・更新プロセスを段階的に整備することで、安定的に機能します。

学生交流、共同教育、単位互換、生活支援、就職支援などについてはMOAで詳細化し、外国人材の受け入れを制度的に支える枠組みとして、Uビジョン研究所で活用します。

あわせて、その内容を社会に発信できる体制を整備します。

まとめ

外国人介護人材の受け入れ・育成体制の評価領域は、介護の国際化に対応した新たな質保証の柱です。

認証「悠」は、国際標準に整合した制度として、日本の介護の質保証を一段高い水準へ引き上げる社会的使命を担います。

国際基準を活かした評価基準については、2028年度の認証審査から適用できるよう、検討を進めます。

2026年8月17日
公益財団法人Uビジョン研究所
所長 本間 郁子

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