今回は、8月25日・26日の2日間にわたり、中山ちどりで実施した研修についてご紹介します。
今回の研修は、中山ちどりの研修体制の強みをあらためて感じる機会となりました。同時に、人材不足が続く中で、人材育成がいかに重要であるかを考える機会にもなりました。
特に印象的だったのは、職員研修への参加状況から見えた「共通言語の形成」と、施設長・副施設長との打ち合わせを通じて浮かび上がった「地域課題」です。
高い研修参加率が生み出す「共通言語」
今回の研修には、多くの職員が参加しました。
・リーダー研修参加者:30名以上
・主任以上研修参加者:17名
・看護師は、すべての研修に継続して参加
対面研修が減少する全国的な傾向の中で、これほど多くの職員が参加することは希少です。
対面研修の効果として実感したのは、職員間に「共通言語」が形成されていることです。共通言語があることは、サービスの質を高めるうえで効果があるだけでなく、地域連携の企画を実施した際にも、その意図の「伝わり方」や、その後の「行動変容」を早めることにつながると感じました。
今回実施した主な研修内容
主な研修テーマは、次のような内容です。
・虐待防止
虐待の芽とは何か、ストレス理解、人間関係、カンファレンス
・認知症の人、ターミナル期の人の意向を汲み取る感性
・生活相談員
入退去調整から地域広報へ、役割を転換していくこと
・看護師
ターミナル期支援、救急医療体制の理解
これらのテーマは、今後、地域共生社会に向けた取り組みを進めていく際に、地域住民や子どもたちに伝えていくべき「専門職の姿勢」を、施設内部で統一していくことにもつながる内容です。
「人材確保=人材育成」という構造的な課題
介護現場では、「人によってケアの質が大きく変わる」という課題があります。
また、認知症ケアやターミナルケアにおいては、その職員の適性を見極める力も必要です。
さらに社会全体では、単身世帯や身寄りのない高齢者が増加し、多死社会が進む中で、地域が持つ支援力も限界に近づきつつあります。
こうした状況に対し、認証「悠」施設がどのように応えていくことができるのか。そのための取り組みが求められています。
今回の研修内容は、この地域連携の課題とも直結しています。
施設長・副施設長との打ち合わせから見えた「地域課題」
施設長・副施設長との打ち合わせでは、地域共生を考えるうえで、子どもたちを対象とした取り組みの必要性が浮かび上がりました。
ここでいう「子ども」には、外国人の子どもも当然含まれます。
子どもを対象とすべき背景には、次のような地域の状況があります。
・子どもの居場所が少ない
・夏休みなどの長期休暇中に、「家でゲームだけ」という生活が増えている
・地域の中で、「困ったときに助けを求められる場所」を知らない
・地域との関わりを持つことで、災害時に高齢者や障害者へ気を配る行動につながる可能性がある
子どもを「地域共生の担い手」として育てていくことは、地域づくりだけの問題ではありません。施設にとって、将来の人材確保にも直結する取り組みになり得ます。
「子ども × 認知症 × 死を学ぶ × 地域連携」
全国の事例からは、「子ども」「認知症」「死を学ぶこと」「地域連携」を組み合わせた取り組みの有効性も見えてきています。
そこで現在、認証「悠」施設とUビジョン研究所による共同企画を検討しています。
認証「悠」施設 × Uビジョン研究所 共同企画(案)
【目的】
短期・中期・長期のスパンで、
・潜在的な人材確保につなげること
・入居者確保につなげること
・子どもから高齢者まで地域の人々がつながる、豊かな地域社会をつくること
を目指します。
【対象】
小学校3年生から大学生まで。
職員の子どもにも積極的に参加してもらい、地域の子どもたちと自然に混ざり合う構造をつくります。
【形式】
ランチ付きセミナーとして、約3時間を予定しています。
クラスや学年ごとに日程を分けて実施します。
【費用と運営体制(案)】
・初期費用はUビジョン研究所が負担
※現在申請中の資金が採択された場合、本格的にスタート
・認証施設
会場提供、職員参加、地域ボランティア等との調整を担当
・Uビジョン研究所
企画設計、教材作成、研修概要、評価を担当
認証「悠」施設を地域の支援拠点へ
単身世帯の増加、身寄りのない高齢者の増加、認知症への不安、災害時における地域支援力の低下など、社会構造は大きく変化しています。
こうした変化に対応するため、認証「悠」施設を地域の支援拠点として位置づけ、子どもを含む地域住民の「共生する力」を高めていくことを目指します。
今回の中山ちどりでの研修は、職員の専門性を高めるだけではなく、施設内で共通言語を形成し、その力を地域へどのようにつなげていくのかを考える機会となりました。
人材育成と地域連携を別々の取り組みとして考えるのではなく、地域共生社会を支える一連の取り組みとして進めていくことが、今後ますます重要になっていきます。